黒豆はオールシーズン食べることのできるものですが、やはり主役となるのは「お正月」です。おせち料理に欠かすことのできない一品である黒豆のレシピと、その由来について見ていきましょう。
黒豆がおせち料理に入れられるようになった理由とは

画像引用:Pixabay
今年は元号があらたまった最初の年ということもあり、おせちを自分で手作りしていきたい! と考える人も多いのではないでしょうか。もちろん市販品の「できあがった黒豆」を利用するのもよいのですが、自分で作るのも格別なものです。
おせちは昔からあるものですし、そのなかでも「黒豆」は定番とも言えるものです。おせちにはさまざまな種類の食材が入れられますが、それぞれに意味があります。もちろん、黒豆も例外ではありません。
黒豆がおせちに入れられるようになったのは、黒豆が、「まめまめしく働く」「まめに暮らしていく」という意味を持つからだそうです。また、黒は厄除けの色であるからとする説もあります。このような由来を元として、黒豆はおせちに入れられるようになりました。
家族構成や環境によって多少の違いがありますが、おせちは基本的にはお重につめていくものです。黒豆は「祝い肴」「口取り」にあたるため、一の重(一番上の重箱)に入れることになります。一の重は、栗きんとんなどの比較的甘味の強いものを入れる重でもあり、重箱の蓋をとったときにまず真っ先に目に入る部分でもあります。そのため、可能なかぎりきれいに、美しく、失敗なく仕込んでいきたいものです。
なお黒豆は、その色から、どうしても見た目が落ち込んでしまいがちです。しかし食用金箔などを振ることで、すてきにドレスアップすることができ、高級感も出るのでぜひお試しください。食用金箔は通販などでも簡単に手に入れることができます。
作ってみよう! 黒豆の定番レシピ

現在は料理サイトも非常に多く出ているため、気軽にアクセスしてレシピを学ぶことができます。好みに合わせた黒豆レシピを探してみるのもよいでしょう。
ただここでは、まずは定番となる黒豆レシピをひとつ紹介していこうと思います。
【必要な材料・用意するもの】
黒豆200グラム 砂糖150グラム しょうゆ20ミリリットル 塩少々(小さじ半分程度)
ある程度深みのある鍋1つ あればさびたくぎ
※煮込む時間はもとより、黒豆は「前処理の時間」を長くとる必要があります。そのため、手順通りにやっていこうとするならば4日間、最低でも2日間の余裕が必要です。
【作り方】
★1日目・・・下処理の時間
- 1.黒豆を水で洗います。このとき、水の表面に浮かんできた黒豆は取りのぞきます。
- 2.600ミリリットルの水と、塩を入れた鍋に黒豆を漬け込んでおきます。
- 3.一晩おきます。
★2日目・・・料理をしていく日
- 4.1をそのまま火にかけます。さびたくぎがある場合は、ガーゼに包んで中に入れます。
- 5.に立って来たら、泡をすくって取りのぞきます。
- 6.200ミリリットルの水を足します。
- 7.蓋をして、煮込んでいきます。
- 8.必要に応じて差し水をして、3時間程度煮込んでいきます。
- 9.煮込んだらくぎを取りのぞき、砂糖を半分加えます。そのまま15分ほど煮込みます。
- 10.残りの砂糖としょうゆをいれて10分ほど煮込みます。
- 11.火を止めて、一晩おきます。
★3日目・・・最後の仕上げをする日
- 12.汁気をある程度切ります。濡れ布巾があればそれをかぶせます。
- 13.汁は半分の量になるまで煮詰めます。
- 14.最後に豆を13に戻します。
- 15.一晩おきます。
「もう少し簡単に済ませたい」「2日間しか時間がとれない」という人は、以下の手順を踏んでください。料理における「一晩」が「約8時間」であることを利用したやり方です。
- 1.1日目の朝の6時くらいに、1~2の工程をすませる
- 2.14時になったら1~10の工程を行う。合計で5時間程度はかかるので、終わると19時くらいになる。
- 3.このまま一晩置く
- 4.2日目の朝に、12~14の工程を済ませる。10時くらいから行えば、18時には完成する
この方法ならば、すべての工程を網羅しても2日間で黒豆を仕上げることができます。黒豆を作るときはほかのおせち料理を並行して作っていくことになるかと思いますが、「時間はかかるけれど、ある程度放っておいても出来上がる黒豆」は、時間管理さえしっかりしていればそれほど苦戦はしません。
黒豆を使った人気レシピのバリエーション

「黒豆をがんばって煮込んだけれど、量が余ってしまった」という場合は、スイーツに作り替えることをおすすめします。
黒豆の甘さは、実はお菓子類とも非常に相性のよいものです。
パウンドケーキに入れ込んで焼き上げる黒豆パウンドケーキは非常に人気の高いものですし、チーズケーキの材料として使っても構いません。抹茶ゼリーなどとあわせると、すてきな和菓子になります。また、お餅などの具材に黒豆を使うのも面白いものです。
黒豆は「日持ちすること」を前提として作る料理です。そのため、ある程度時間が経ってもおいしく食べられます。
「おせち料理にちょっと飽きたな」「新しいものを作りたいな」と思ったら、黒豆×スイーツも試してみてくださいね。
参考文献
「正月料理・もてなし料理」日本放送出版協会P9
鍋谷萌子
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