「賀寿のお祝い」は、大切な人が長生きしたことをお祝いすることをいいます。人は生まれてくれば必ず死ぬことになる生き物ではありますが、そうであるからこそ、「大切な人に長生きしてほしい」「いつまでも健康でいてほしい」という思いを抱いています。賀寿は、そのような気持ちの表れから誕生したものだと考えられています。

今回はこの賀寿のなかでも、「紀寿」「百寿」を取り上げて、その意味や由来、テーマカラーや贈りたいプレゼントを紹介していきます。

「一世紀生き抜いたこと」を表す紀寿は、非常に大切なお祝いです

https://pixabay.com/ja/

賀寿のなかでも、「紀寿」は非常に特別なものです。まずはこの「紀寿」の意味を見ていきましょう。

紀寿は「きじゅ」と読みます。同じ読み方を持つ言葉として「喜寿」がありますが、こちらは77歳のことを表す賀寿ですから、「紀寿」とは明確に区別されます。また、紀寿はその別名として、「百寿（ももじゅ・ひゃくじゅ）」とも呼ばれます（以下では「紀寿（百寿）」として並列表記します）。

紀寿（百寿）は、「一世紀」「百歳」を意味する言葉であり、100歳を迎える（迎えた）ことをお祝いするものです。賀寿のなかでももっとも区切りが良い数字であり、かつ非常に長生きしたことを証明するものなのです。

一般的な賀寿の場合、そのお祝いはご家族単位で行うことになります。しかし紀寿（百寿）の場合は少し異なります。紀寿（百寿）を迎える人に対しては、内閣総理大臣から記念品と症状が授与されます。ちなみにこの記念品は、銀メッキの銀杯（かつては純銀製だったとのことです）で、「寿」の文字が彫り込まれているそうです。

このように、紀寿（百寿）は、多くの人に喜びと驚きを持って迎え入れられ、祝われます。

日本人の平均寿命は延び続けており、多くの人がこれを迎えています。2022年に厚生労働省がまとめた「百歳高齢者表彰の対象者」の数は実に45141人であり、かつ100歳以上の人は全体で90526人もいるということです。その約90パーセント程度が女性であるとされていますが、今後も紀寿（百寿）のお祝いを受ける人は増えていくことでしょう。

出典：厚生労働省「百歳高齢者表彰の対象者は45,141人」
https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/000990671.pdf

紀寿（百寿）のお祝い、何を贈る？　テーマカラーは「白色」

https://pixabay.com/ja/

賀寿のときには、お祝い品（プレゼント）を贈るご家庭も珍しくはありません。もちろん、紀寿（百寿）もこの例にもれません。ここからは、紀寿（百寿）のお祝いのときに贈るべきプレゼントについて紹介していきます。

賀寿にはそれぞれ、「テーマカラー」があります。もっとも有名なのは還暦のお祝いである「赤色」ですが、紀寿（百寿）にもこのようなテーマカラーが設定されています。
紀寿（百寿）のテーマカラーは、「百」という字が「白」に似ていることから、「白色」とされています。贈り物をする場合は、この「白色」を使ったものを贈ると喜ばれるでしょう。
たとえば賀寿の贈り物の定番としてよく知られている「花束」を、白色の花を中心としてまとめると喜ばれるでしょう。ただし、白色の花と紫色あるいは紺色のリボンの組み合わせは、
弔事を強く連想することから、避けるべきだとされています。

賀寿のお祝いのときには、「食事」「グルメギフト」もよく選ばれています。ただし紀寿（百寿）の年齢に達している人の場合は、嚥下機能などに支障が出ている人も非常に多いといえます。場合によっては、「（たとえ柔らかくしたものであっても）固形物を飲み込むこと」自体がそもそもできない、というケースもあり得ます。また内科的な疾患によって、食べられるものに制限がつけられている人も多いことでしょう。
そのため、「紀寿（百寿）の人自身に、何かおいしいものを食べてもらいたい」ということであれば、事前にメインで介護をしている人に問い合わせて、現在のその人の食事事情がどのようなものであるか、どのようなものを贈っていいのかを確認しておく必要があります（もちろん100歳に達そうとする人のなかには、若いときと変わらない食事スタイルを維持できている人もいます）。

また、紀寿（百寿）のお祝いにグルメギフトを贈る場合は、祝われるご本人だけでなく、周りのご家族が喜んでいただけるものを選ぶのもひとつの方法です。たとえば、縁起の良い食べ物を贈ったり、家族全員で楽しんでもらえる食べ物を贈ったり……というやり方です。
ご本人が召し上がれない状況であっても、「ご本人用のプレゼント＋ご家族に対するちょっとしたグルメギフト」などのようにセットで贈れば、失礼にはなりにくいでしょう。

なお、「非常に縁起が良い食べ物」として、黒豆を使ったそばやそうめんが挙げられます。黒豆自体が「まめまめしく働ける」という意味を持つ縁起物ですし、そばやそうめんは「末長くお付き合いできますように」「ご長寿でありますように」という意味を持つものだからです。

黒豆そばの購入はこちらからどうぞ▶https://www.kuromame.co.jp/i/1500
黒豆そうめんの購入はこちらからどうぞ▶https://www.kuromame.co.jp/i/1509