鍋谷萌子
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世の中のものには、「いつも呼ばれている名前とは別の名前」が存在するものもあります。そのなかには、少し面白い呼び方になっているものも存在します。
今回はそのなかから、「ぶどう豆」という呼び方について取り上げていきます。
ぶどう豆とはいったいどんなものを指すのでしょうか?
「ぶどう豆」という言葉にはいろんな意味がある

画像引用:Pixabay
「ぶどう豆」という言葉は、いろいろな意味を持っています。
そのなかでも有名なのが、
- 煮た豆のこと
- 黒豆の別称
- 黒豆の一部
を指すものです。
まずは、「煮た豆のこと」を指す「ぶどう豆」について解説していきます。
ここでいう「ぶどう豆」とは、煮た豆全般のことを指します。このように使われる場合は、黒豆を似たものを「ぶどう豆」とすることがある一方で、大豆を煮たものを「ぶどう豆」と呼ぶこともあります。ただし、「大豆を煮たものもぶどう豆と呼ばれるが、どちらかというと黒豆を似たものに対してこの表現を用いることが多い」とも言われています。
煮ることで、豆が黒くなり、ふっくらと柔らかい状態に仕上がります。また色も紫~黒色になるため、その様子がぶどうに似ているとして「ぶどう豆」と呼ばれるようになったとされています。
このような調理方法をとるため、豆ではなくほかの食材を似てぶどうのようにしたものを「ぶどう煮」と呼ぶこともあります。ちなみに、実際にぶどうの果汁で物を煮込むことも、「ぶどう煮」と呼びます。
正月料理としての「黒豆」との違いは、その調理方法にあるとされています。
正月料理に使う方の黒豆は、保存のために砂糖を加えて煮込みます。この砂糖が、正月料理としての黒豆を作り出すのです。
対して、「ぶどう豆」の方では、まずは豆を軟らかく煮て、それを冷やすという工程が含まれます。正月料理としての黒豆の場合は、黒豆の煮汁を使ってそのまま煮ていきますが、ぶどう豆の場合はいったん煮汁を流します。そのうえで、シロップを使って作り上げていく工程がよくとられます。
このような特徴から、正月料理としての黒豆よりも、ぶどう豆の方が食べやすく、淡白な味になる傾向が強いと言われています。
このように、「ぶどう豆=煮もの(特に黒豆・大豆の煮物)」とする説もあります。
ぶどう豆は、黒豆を表す言葉であるとする説について

画像引用:Pixabay
ここからは、
- ぶどう豆は、黒豆の別称
- ぶどう豆は、黒豆の一部を指す名称
の方について解説していきましょう。
まずは1つめからです。
黒豆は、黒々としており、それがぶどうに似ていることから「ぶどう豆=黒豆」とされました。この場合、「ぶどう豆」とは黒豆そのものの別称にあたるため、特定の品種だけを指す言葉ではありません。「黒大豆」が「黒豆」の別称であることはよく知られていますが、この説にのっとるのであれば、「黒豆=黒大豆=ぶどう豆」といえます。
黒豆の、美しい黒さをもって、人は黒豆を「ぶどう豆」と呼んだのでしょう。
この「ぶどう豆は、黒豆そのものの別称である」という話に、新しい意味を持たせたのが、「ぶどう豆は、黒豆の一部を指す名称」というものです。
「ぶどう豆とは、黒豆全体のなかでも特に品質の優れたものを指す名称だ」とする説があるのです。
この「ぶどう豆と呼ばれる黒豆」には、いくつかの選定条件があるとされていました。
- 転がしたときにまっすぐに転がる(=黒豆の粒が丸い)
- 豆の形がよく、ほかのものに比べて大きい
- 白い粉(豆を守るためのもの)がふいている
つまり、「良い黒豆」とされるにふさわしい条件を兼ね備えていなければ、「ぶどう豆」とは呼べないと考えていたのです。大きな粒を持った最高級品の黒豆を、「ぶどう豆」と呼んでいるわけです。
このような考えが転じて、「ぶどう豆」が特定の産地の、あるいは特定の品種の、あるいは特定の商品の名前としても使われるようになりました。たとえば、非常に有名な黒豆である「丹波黒」はこのぶどう豆にあたるとされていますし、兵庫県や滋賀県ではこのぶどう豆が栽培されやすいといわれています。京都にある黒豆のお店で扱っている黒豆は、はっきりと「ぶどう黒豆」として商品を打ち出しています。
今回紹介した3つの説は、いずれも否定できないものです。どの説が正しくてどの説が間違っているか、というものではありません。実際、ぶどう豆と黒豆の関係を記す数多くのサイトでは、「ほかの解釈がある」として記しています。言葉はあいまいさを含むものですから、時代とともに、「ぶどう豆」が持つ意味が多様化していったと考えるべきでしょう。
ただ、これらを総合して考えるのであれば、「ぶどう豆とは多くの場合。高級で品質のよい黒豆及びその黒豆を煮込んだ料理を指す」といえるでしょう。大豆などでつくられた「ぶどう豆」もありますが、基本的にはこの考え方で問題はないと思われます。
ぶどうも黒豆も私たちにとって身近なものです。
しかしその解釈が違うというのは、なんとも面白いことですね。
引用
https://www.yamamoriya.com/ymamo/tanbakuroirimame.html
https://cms.miyazaki-c.ed.jp/1816/htdocs/index.php?key=jol96oma7-71
https://mi-journey.jp/foodie/46192/
http://www.kitaoshoji.co.jp/shopdetail/022002000006/
http://gogen.bokkurigoya.com/archive/005456.php
https://www.takadaseed.com/kuromame/
https://lowch.com/archives/10171
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