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黒豆のカロリーは高い?フードコーディネーターが徹底解説

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鍋谷萌子

食事関係の資格を5つ持つ、フードライターです。世界各国でグルメ旅行をしています。専門はチーズとワインとコーヒーですが、日本料理にも明るいライターです。 料理の品評・料理レシピの提供も可能。『だれでも作ることができて、ちょっとおしゃれで、少し目新しいきれいな料理』のレシピをおつくりします。

お正月のおせちにも入れられる「黒豆」は、非常に多くの栄養素を含む食品です。

ここではこの「黒豆」を取り上げ、その成分やたんぱく質量、エネルギー量などを解説するとともに、黒豆の持つ健康効果や、食事に取り入れる際の注意点について解説していきます。

黒豆のカロリーと栄養成分

黒豆は非常に長い歴史を持つ食材であり、その歴史は平安時代にまでさかのぼれると言われています。

そのなかでも丹波の黒豆はその美しさと味わいの深さから、非常に高い人気を獲得していました。

さてこの黒豆は、別名として「黒大豆」という名前を持ちます。

名称通り大豆のうちの一種であり、大豆と同じように豊富な栄養素を持ちます。

大豆は「畑の肉」ともいわれるほどたんぱく質が豊富です。

牛リブロース肉とほぼ変わらない14.1グラムものたんぱく質を有しています。

また、食物繊維が豊富に含まれているものの代表例として「ゴボウ」が挙げられますが、実は黒豆はゴボウ以上の食物繊維を持っています。

しかも、それでいて脂質は低く、たんぱく質量がほとんど等しい牛リブロース肉の3分の1~4分の1程度の量しか含まれていません。

ただし、食塩量は1.6グラムとやや高い値をマークしています。

また、カロリーは289㎉と、お餅以上のカロリーを持ちます。

このように見ていくと黒豆は、「たしかに食塩量もカロリーもあるが、人間の健康にとって非常に重要な栄養素がたくさん含まれている食品である」といえるでしょう。

※数字は100g相当のときのもの

出典:
大修館書店(文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会報告「五訂増補日本食品標準成分表」準拠)「新カラーガイド食品成分表(改訂版)」
p16-17、p34-35、p54-55.p170-171

黒豆の健康効果

ここからは、栄養価に基づき、黒豆の健康効果について解説していきます。

前述した通り、黒豆には豊富なたんぱく質が含まれています。

たんぱく質は私たちの肌や筋肉を作る材料となるものであり、人体にとって必要不可欠なものです。

特に、「運動をしながら健康的にダイエットをしたい」「しっかり食べて、しっかり筋肉をつけていきたい」と考える人にとって有用です。

また、食物繊維は整腸効果を持つものであり、体内の老廃物を体外に便のかたちで押し出すために働くものです。

食物繊維のもっとも有名な効果はやはり「便秘の解消」ですが、それ以外にも、生活習慣病のリスクとなる高血糖と高コレステロールを予防する効果があります。

ポリフェノール

さらに、黒豆にはポリフェノールも含まれています。

黒豆に含まれているポリフェノールは、特に「黒豆ポリフェノール」とされることがありますが、これも高い健康効果を発揮するものです。

ポリフェノールは高い抗酸化作用を示すものであり、風邪などに立ち向かう力を持っています。

日本における黒豆の歴史は平安時代に端を発していますが、中国ではそれよりもさらに数百年前の本にはすでに「黒豆は風邪に効果を示す」と書かれています。

ポリフェノールの発見は1800年代まで待たなければなりませんが、この当時にすでに黒豆(と、おそらくはそこに含まれるポリフェノール)の効果が記されていたということは特筆に値するべきことです。

加えてポリフェノールは、冷え性を改善させるなどの効果も期待できます。

黒豆に含まれている「大豆イソフラボン」もまた、黒豆ポリフェノールとともに話題に上ることが多い成分です。

大豆イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンと似た効果を示すとされています。

そのため、肌を整えたり、骨粗しょう症を予防したりすることができます。

このように黒豆には、数多くの栄養素が含まれているのです。

食事に取り入れる際の注意点

黒豆は非常に健康によい食材ですが、「カロリーと食塩相当量はそれなりに高い」ということには注意すべきです。

また糖質も比較的多めです。黒豆の糖質量は精米の2分の1程度ですが、黒豆の場合は白米とは異なり、「プラスアルファで白米などの炭水化物も食べられる」という点に留意しなければなりません。

また黒豆は砂糖やしょうゆの味付けとなじむため、実際にはこの黒豆の栄養価に、さらに砂糖のカロリーやしょうゆの塩分が加わります。

そのため、カロリーや食塩の量も多くなります。

なお2000年代初頭に、「大豆イソフラボンは、過剰摂取すると子宮に異常が起きる」という研究結果が出されました。

しかし実際には大豆イソフラボンを過剰に摂取している人は非常に少ないため、「日常の生活において黒豆の大豆イソフラボンの摂取が過剰になっているのではないか」と心配する必要はほとんどないでしょう。

出典:
フジッコ「イソフラボンのチカラ」
イソフラボンは摂り過ぎているのでは?―日本人の摂取実態―

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鍋谷萌子

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