鍋谷萌子
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気温の急な変化があったり、気温が下がり始めたりする時期は、どうしても風邪をひきやすくなるもの。
風邪をひかないようにするためには、気温にあわせた服装の調整や体力づくり、バランスのよい食生活が重要です。しかしそこにさらに、「黒豆ポリフェノール」もまた、「風邪をひきにくい体」を作ることに貢献してくれるものです。
黒豆ポリフェノールが風邪に効果的と言われるその理由は?
画像引用:Pixabay
「黒豆ポリフェノールは、風邪に効果的だ」といわれるようになったのはここ最近の話ではありません。
後漢~三国時代に書かれていた「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」にはすでに、「黒大豆は風邪に効く」という表現がみられます。また、本草拾遺という書などにおいても、同様の記載がみられます。これは厚生労働省が出している論文にも記載があります。
もちろん、
「黒豆に含まれている黒豆ポリフェノールを飲めば、たちどころに風邪が治る」
「黒豆ポリフェノールをとりさえすれば、どんなに不摂生な生活をしていても、一切風邪をひかない」
「黒豆に含まれている黒豆ポリフェノールをとることができれば、絶対に風邪をひかない」とまではいえません。
ただ、昔から、黒豆が「体によいもの」「風邪を予防するためのもの」と考えられてきたのはたしかです。そして現在は、その理由を「黒豆ポリフェノール」に求めるようになっています。
これについて詳しく見ていきましょう。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/60/9/60_534/_pdf
出典:厚生労働省「大豆の新規機能性成分の開発:黒大豆種皮ポリフェノールとピニトール」
黒豆ポリフェノールが効果的だといわれている理由について
画像引用:Pixabay
黒豆が風邪に効果的だといわれているのは、前述したように、黒豆に含まれている「黒豆ポリフェノール」によります。
「ポリフェノール」は非常によく知られた成分です。チョコレートや赤ワインにも含まれているもので、高い抗酸化作用を示します。これはさまざまな食品に含まれており、黒豆にも、「黒豆ポリフェノール(「黒大豆ポリフェノール」とされることもあります)」というかたちで含まれています。
黒豆ポリフェノールは、高い抗酸化作用を示します。
抗酸化作用の高い物質(食べ物)は、免疫細胞の機能が低下することを防いでくれます。風邪をひく理由の一つが、「自分の持っている免疫細胞が弱っていること」ですから、これを食い止めることができるという点で、黒豆ポリフェノールは風邪の予防に有効だといえます。
黒豆ポリフェノールが優秀だといわれているのは、それだけではありません。黒豆ポリフェノールは血行促進の効果もあるとされています。これによって高血圧などの生活習慣病を予防することができるわけですが、この「血行促進効果」は「風邪の予防」にも効果的です。血の巡りをよくすることで抵抗力の低下を防ぎ、風邪のウイルスや菌に対して立ち向かっていくことができるのです。
黒豆ポリフェノールは冷え性の改善にも効果的だとされていますが、冷え性の人は特に風邪をひきやすいと考えられています。黒豆ポリフェノールをとることは、冷え性を改善させ、血行を良くし、免疫細胞の機能の低下を防ぐという働きを持って、風邪に立ち向かっていきます。
黒豆ポリフェノールだけを食べるのではなくほかの野菜類も重要
画像引用:Pixabay
上でも述べましたが、黒豆は「これだけをとればよい」というものではありません。ほかの食品と合わせて使うことで、さらに体に良い影響を及ぼすものです。
たとえば、ニンジン。
ニンジンは豊富なビタミンAを含んでいるものです。風邪のときに痛めやすい鼻の粘膜などを保護する働きを持っており、風邪に対しての対抗策となる食品です。
また、これも高い抗酸化能力を示すビタミンEを含む「ゴマ」も風邪予防のための食品として効果的です。
これらをまとめてとれるものに、「黒大豆みそを使ったかみなり汁」があります。
黒大豆の栄養素を含んだみそと、ビタミンAを含むニンジン、ビタミンEを含むゴマなどを作っていく温かい汁物です。風邪に強い栄養分を含む食材が多く使われているだけでなく、「温かい汁物」であることもポイントです。温かい汁物は体をぽかぽかと温め、風邪をひきにくい体を作ることに役立ってくれます。また、「黒大豆みそを使ったかみなり汁」は豆腐やこんにゃく、しめじやわかめ、サヤインゲンなどでボリュームも出しているため、「食べたりなさ」を感じることもないでしょう。
黒豆が「健康に良い」といわれている理由の多くは、「黒豆ポリフェノール」によるものです。この黒豆ポリフェノールは、高い抗酸化作用によって、季節の変わり目~寒い時期の気温から体を守り、風邪をひくことを防止してくれます。
ただ、黒豆ポリフェノールだけをとっていればそれで良い、というわけではありません。栄養価に優れたほかの食材もバランスよくとっていく必要があります。
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